三日月の絆その6

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式と解

式と解

「お前に欠けているものは、他の者が補ってくれる。お前は、他の者にはない力でその者達を助けてやればよい。お前にしか出来ない事を、為せば良い」

 おぼうさんはそういってたちあがる。

でも。

そういわれても、ぼくはじしんがない。

 いつもいつも、ぼくはあのひとたちにいわれていた。

 できそこない、けっかんひん。

 ……ぼくにしか、できないことが、ほんとうにあるの?

「小僧。自分を信じろ」

 おぼうさんは、ぼくのかおのたかさまで、じぶんのかおをもってきた。

「その刻印は、自然に発生したものではない。何者かの手が加えられたもの。私の力では解呪出来ぬが……悪あがきをしてみた」

 わるあがき?

「『刻印』に介入し、体内循環系の魔術の行使が可能になる方程式を組み込んでみた。成功するかどうかは小僧、お前の努力次第」

 !

「ぼくにも、『ちから』がつかえるようになるの?」

おぼうさんはあみがさからぼくをみて、

「一部ではあるが、お前の精進によっては」

ふかく、ふかくうなずいた。

「そしてもう一つ。この刻印を施した者であろうが……ある特定の方程式には反応しないようにこれは象られている。その方程式に抗えるよう『意思活性化』を直接『刻印』に打ち込んでみた」

いし、かっせいか?

なにをいっているのか、ぜんぜんわからない。

「今はわからなくとも良い。その方程式を扱う者とお前が対峙した時、この記憶は蘇るようにしておいた」

? ? ?

ぼくは、このとき、とてもむずかしいかおをしていたんだとおもう。だから、おぼうさんは『わからなくともよい』っていったんだ。

「これほどの魔術を施す者だ。それだけでは心許ない。さらに『刻印』に、奴が肝を冷やすであろうものを仕掛けた」

おぼうさんはぼくのかたにてをおいて、

「意思を、強く持て。そうすれば、お前の『刻印』は応えてくれる」

そういって、おぼうさんはあみがさを、おやゆびで、くいっ、てうえにむける。

「そこに式と解が在るなら、どれだけ巨大な魔力であろうと」