粛
凝縮する力が昇と塔也を起点とし、
「滅っ!」
「粛っ!」
二つの叫びが弾けると共に、七色の光と何よりも昏い黒き闇が、空間を歪ませる程の桁外れの力で衝突した。衝撃に半壊していた校舎のコンクリート片が砕けたアスファルトと共に彼方に消えていき、植樹されていた木々が根こそぎ吹っ飛んでいく。ガラスが断末魔をあげるようにたて続けに割れた。
字久や玲於奈達は一点に固まり、この余波を凌ぐべく結界を張る。
「ぐぐぐっ……!」
「馬鹿な! 何故奴が……私が施した『魔封じの刻印』をその手に刻みながら、何故魔力を放出出来るのだ!」
二つの力が拮抗し、鼓膜を破りかねない轟音の中、額に青筋を浮かべながら塔也は絶叫する。
こんなはずはないのだ!
自分が施した『刻印』の解呪は、自分以外のものには決して……
「そうか……この地そのものに何か細工を施したな!」
塔也は、自らの足元にも走る虹色の線を追う。
それは、一つの紋様を描いていた。
「……『魔封じの刻印』?」
だが、二つの相違点がある。