三日月の絆その6

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黒衣の天女

黒衣の天女

「聞こえて……ないのか! 逃げろって」

「うるさい! 黙ってろ!」

剣を正眼に構えたまま、背を昇に向けている司影の一喝が警告を遮った。

「兄さん。そんな言葉を、私が聞けると思っているんですか?」

次いで、横目で責めるように瑞樹が言葉を紡ぐ。

「勝ち目が無い訳ではありません。諦めない限り勝機はあります」

塔也を凝視したまま、力強く皆を鼓舞する字久の声。

「……友達を、見捨てる訳にはいかないでしょう?」

少し怒ったように眉を吊り上げている玲於奈。

四人の背を見つめた後、昇は、無言で地に眼を伏せる。

……俺は、周りに恵まれている……

「……悪い……」

だからこそ、死なせたくない。

守りきってみせる!

「……全員で……生きて帰るぞ!」

ガクガクと笑う膝を両手で押さえつけ、腰を落とし、昇はどうにか自身と皆を叱咤する声を大きくあげる。

これを見た塔也は不快そうに口元を歪め、

「友情? 馬鹿が! そんなものが何の役にたつ! 絆? 永遠の前では霞んで見えるわ!」