三日月の絆その6

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端山昇

端山昇

「小僧。これをお前にやろう」

おぼうさんはそういって、むねのなかから、しろいてぶくろをだした。

「これを四六時中身に着けていれば、お前の『魔』は他の『魔』を引き寄せまい」

おまもり、みたいなものなのかな?

「サイズがあわなくなったら、内側に縫い込んでいる生地だけを取り出し、それを手袋に縫い付けておけ」

? ? ?

「今は、わからなくとも良い。その内、わかる時が来る」

そういって、おぼうさんは、じめんにおいたつえをとってたちあがった。

「ねえ……おぼうさんに、もう、あえないの?」

とても、ふあんだった。

おいていかれそうで、ぼくはいやだった。さびしかった。

「ぼく、いやだよ。おぼうさんと、もっといたい。もっとおはなししたい」

なみだがでそうになるめを、ぐしぐしこする。

すると、

「小僧。出会いに、別れはつきものだ」

おぼうさんは、ぼくのあたまをくしゃくしゃとなでた。

「お前は、立ち直った。もう、立派な一人前の人間だ。もはや私は必要ない。そして、私を必要とする者はまだまだこの輝きの下には溢れ返る程いる」

おぼうさんのてが、ぼくのあたまからはなれる。

「そして、私同様にお前を必要とする人間が、お前の歩む道の先にいる」

ぼくは、ひくひくいいながらおぼうさんをみあげる。

「小僧。お前と私は、同じ月の輝きの下にいる。孤独が募ったならば、月を見上げよ。私は、その輝きを見てお前を思い出し、お前の行く末を祈ろう」

そういって、おぼうさんはぼくのてをにぎった。

「お前の……端山昇の行く末に、幸在らん事を」

おぼうさんはそういって、せをむける。

おぼうさんが、ぼくを『こぞう』じゃなくて。

『のぼる』ってよんだのは、これがはじめてで。

そして、さいごだった。